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読書ノート / 近現代史
そこで、南京事件のことを調べてみようと、アマゾン検索で始めに表示される「南京事件 (岩波新書)」をまず読んでみましたが、続いて検索で2番目に表示される本書を読んでみました。 秦郁彦氏といえば、正論や諸君にしばしば登場する保守派の現代史家というイメージがあって、本書も南京大虐殺を否定する論調で貫かれているのかなと思っていましたが、「第5章 検証――南京で何が起きたのか(上)」「第6章 検証――南京で何が起きたのか(下)」では、日本軍の記録文書や兵士の日記などから、大量殺人の実態を検証しています。さらに、事件の背景に関する事実は、「南京事件 (岩波新書)」で述べられているものとほぼ共通しています。どうも予想とは異なるようです。 さらに、初版あとがき(本書は、1986年に発行された初版に、第9章と第10章の南京事件論争史を追加した増補版です。)に、次のような記述があります(244ページ)。
さらに、秦氏は「大虐殺派は中国の誇大な言い分をそのまま受け入れている」と反発しているようで、次のように述べています(205ページ)。
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