top / パソコン / Windows
Windows7 のDSP版については、危うく偽物を掴まされそうになった経験があります。 私の購入したDSP版は、次のような白いパッケージに入っていました。いずれも、Amazonで買ったものですが、左(Windows7 Pro 32bit DSP版【USB拡張ボードセット】、リンクは切れています)が偽物で右(Microsoft Windows7 Home Premium 32bit DSP版【紙パッケージ版】、リンクは切れています)が本物でした。 左のDSP版は、業者の説明がおかしかったので返品しようとしたところ、相手側と連絡が取れなくなり、そのままになったものです。返金はされましたが、Amazonからは、返送のしようがないので、廃棄してよいとの返事がありました。一応、中身を確認したところ認証が通りませんでした。 これが偽物のディスクです。ホログラムも入っています。 これが本物のディスクです。 偽物のディスクを拡大すると、文字が所々不自然にゴチになったり、ずれたりしています。 本物のディスクを拡大しても、不自然な文字の乱れはありません。 偽物のディスクも中身は本物と全く変わりません。ただし、偽物のディスクに付いているCOAラベルに記載されているプロダクトキーでは、認証が通りません。その場合、30日が経過するとWindows 7 を使えなります。 もともとは、ショップパソコン用 Windows 次のパッケージ(上記右の本物)の説明によれば、DSP版は、もともとはシステムビルダー向けのプレインストール用 Windows のようです。このシステムビルダーとは、独自ブランドPCを販売しているパソコンショップなどを指しているようです。ただし、赤いシールの記載によれば、「個人的用途のために」購入することもできるようです。実際、家電量販店などでも購入することができます。 パッケージの裏側には、詳細な契約内容が記載されていますが、これはシステムビルダー向けのものなので、「個人的な使用のために」インストールする場合には適用されません。 部品をそっくり入れ替えても、使える 「個人的な使用のために」適用される条項については、リンク先(www.windows.com/personaluselicense)が示されていますが、現在ではこのリンク先はwindows11の紹介ページとなっています。 マクロソフトのサイトには、「Windows 8 システム ビルダー製品--個人使用ライセンス」(リンクは切れています)というのがあり、「お客様は、お客様が所有する他のコンピューターに本ソフトウェアを移管することができます。」とあります。したがって、部品をそっくり入れ替えても、DSP版のWindowsは使えることになります(2014年1月11日から発売された新パッケージのDSP版Windows7のライセンスについて)。 Windows 7 や Windows 8 のDSP版は、PCパーツとのバンドルではなく単体購入が可能でしたが、Windows 10 では、バンドル販売のみとなっています(DSP版Windowsの販売方法が変更、PCパーツとのバンドル販売のみに )。なお、DSP版 Windows 10 のパッケージは、Windows7 のものと、ほとんど変わらないようです( DSP版Windows 10の新バージョンが店頭入荷、「April 2018 Update」適用済み)。 2016年12月更新のマイクロソフトソフトウェアライセンス条項(リンクは切れています)によれば、プレインストールされたソフトウェアはライセンスを取得したデバイスと共にのみ譲渡することができ、スタンドアロンソフトウェアは「お客様が所有する他のデバイスに本ソフトウェアを移管することができます」とあります。 ここでのデバイスとは、「内部記憶装置を搭載して本ソフトウェアを実行することのできるハードウェアシステム」を指しますから、バンドル販売されたPCパーツは含みません。つまり、バンドル販売のDSP版は、スタンドアロンソフトウェアと考えられるのです。また、バンドル販売されたPCパーツはPCに組み込まなければならないとは、少なくとも、このライセンス条項には、どこにも書いてありません。 電話認証すら不要? マイクロソフトコミュニティに、「Windows10のDSP版で、マザーボード、CPU、HDDを入れ替えて、Windows10を新規インストールしたところ、電話認証すら不要でライセンスが通った」という情報が寄せられています(Windows10 DSP版のライセンスについて)。 マイクロソフトのページには「マザーボードの交換など、デバイスでハードウェアの大幅な変更を行った場合は、デバイスに一致するライセンスが Windows で認識されなくなり、Windows を使用するには再ライセンス認証が必要になります」という説明があります(ハードウェア構成の変更後に Windows 10 のライセンス認証をもう一度行う)。 以前は、マザーボードを交換した時は、必ず電話認証となりました。電話認証が始まった頃は尋問のようなことが行われていましたが、その後、担当者の読み上げる数字を延々とパソコンに打ち込むだけでよくなりました(これが再ライセンス認証だと思われます)。そのうち、自動音声の対応となり、さらに、パソコンを交換しても電話認証すら不要となりました(Microsoft Windows7 Home Premium 32bit DSP版【紙パッケージ版】参照)。ただし、インストールが一定の回数を超えると電話認証となるようです。 もっとも、EaseUS Todo Backup を使って、バックアップイメージからシステムディスクを復元するようになってからは、Windows を再インストールすることも、ほとんどなくなりました。 マイクロソフトはバンドルパーツを把握していない? DSP版では、バンドル販売されたPCパーツをPCに組み込む必要があるかについては、「そもそもWindowsにバンドルパーツが何か検知する機能などなくマイクロソフトもバンドルパーツの個別把握はしてません」という情報もあります(Windowsにはバンドルパーツかどうか判別する機能は無い)。 私は、バンドル販売は、抱き合わせ販売ではないかと思いますが、特に問題とはされていないようです。Windows 10 の製品版は単体でも買えます。また、バンドル対商品は自由に選べますし、セットで買った方が安いなどの事情があるからかもしれません。 米アマゾンでは、日本のDSP版はOEM版として単体で販売されています(Windows 10 Pro OEM - 64 Bit Version | English | Windows 10 Professional DVD、リンクは切れています)。日本よりも割安です。 英アマゾンでも、日本のDSP版はOEM版として単体で販売されています(Windows 10 Professional DVD 64-Bit OEM)。日本よりもかなり割安です。 要するに、製品版の Windows 以外はすべてOEM版であり、大手メーカー向けのOEM版は単体で販売されることはなく、システムビルダー向けのOEM版が、単体で一般ユーザーに販売されているようです。これは、日本で米国も英国も同じです。ただ、日本ではそれをDSP版と称し、PCパーツと抱き合わせ販売しているに過ぎないのではないでしょうか。とするならば、「そもそもWindowsにバンドルパーツが何か検知する機能などなくマイクロソフトもバンドルパーツの個別把握はしていない」というのも合点が行きます。 Windows 10 は認証しなくても使い続けることができる Windows 7 とは違って、Windows 10 は認証しなくても、ほとんど意味のない制約を受けるだけで、使い続けることができます(Windows 10を無料で使う。プロダクトキーは必要なし!)。 しかも、メディア作成ツールを使って、Windows 10 のインストールメディアを作成することができます。マイクロソフトのページには具体的な方法が掲載されています(Windows 10 のダウンロード)。 Windows 7 もディスク イメージ (ISO ファイル) をダウンロードできますが、プロダクトキーの入力が必要でした(Windows 7 のディスク イメージ (ISO ファイル) のダウンロード、このサービスは終了しています)。これに対し、Windows 10 の場合は、プロダクトキーの入力は不要です。 |