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Windows11は最新のCPUの搭載されたPCにしかインストールできません。しかし、Windows11は高度な処理をするため、最新のCPUが必要だというわけではなさそうです。 現在普及しているCPUでは、OSが管理しているメモリ領域に、投機的実行(speculative execution)とアウトオブオーダー実行(out-of-orderexecution)という特殊な書き込み処理を行って、高速化を図っています。しかし、この処理には、Spectre(スペクター)とMeltdown(メルトダウン)という脆弱性があると指摘されています。特殊な処理と脆弱性の関係は次のようになっています(CPUや無線LANの脆弱性は本当に怖いのか、正しく知っておく | 日経クロステック)。OSが管理しているメモリ領域には、パスワードなどの機密情報が書き込まれているので、それを盗み見られる恐れがあります。 とするなら、最新のCPUの搭載されたPCにしかインストールできないようになっているWindows11は、より安全だとも言えそうですが、最新のCPUが脆弱性を克服できているのかについては、ネット上では情報は見当たりません。もし、そのようなCPUがあるとするなら、CPUを最新のものに交換すれば、Windows10搭載のPCも安全となるはずです。つまり、Windows11の方がより安全ということでもなさそうです。 AMD製CPUは、ほぼ安全? 問題となっている脆弱性は、Googleのセキュリティ研究チーム「Project Zero」が北米時間2018年1月3日に発表したものだということです。この脆弱性には、Variant1、Variant2、Variant3の3つがあります。Variant1とVariant2にはSpectre(お化け)、Variant3にはMeltdown(炉心溶融)というおどろおどろしい識別名が付けられています(Googleが発見した「CPUの脆弱性」とは何なのか)。 各脆弱性の影響を受けることが確認されているCPUは次のようになっています。
一方、メルトダウンはパッチの作成が容易だという情報もあります(メルトダウン/スペクターとは?)。
クラウドに深刻な影響も このような脆弱性を持つCPUは、サーバやPCに搭載され広く普及しています。しかし、現実的には、個人のPCが狙われることはないだろうということです。そして、メルトダウンはクラウドプロバイダーに最も深刻な影響を及ぼす恐れがあるということです(「Meltdown」「Spectre」の脆弱性、大手クラウドサービスが格好の標的に:AWS、Microsoft、Googleの対策は - TechTargetジャパン クラウド)
攻撃の手法は変わらない? どのような方法で脆弱性をつくかは、メルトダウンについては、対象PCにメールなどを利用して不正プログラムを仕込み稼働させることが考えられます。スペクターについては、より複雑であり、実現のハードルは高いものとなっているということです(投機的実行に関する脆弱性「Meltdown」と「Spectre」について解説 | トレンドマイクロ (JP))。
そもそも、スペクターやメルトダウンといったCPUの脆弱性をついた攻撃はこれまで実害は報告されていませんし、個人のPCが狙われることはないだろうということですから、自宅のPCについては、従来通りのマルウェア対策を十分に行っておけば良いのではないでしょうか。 |