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「最後のWindows」ではなかった ITmediaは、Windows 10 について、次のように説明していました(Windows 10は最後のメジャーアップグレードになる?)。
多くの人が懸念したように、やはり「Windows 10 の次はあった」のです。 OSは壊れることはないが オペレーティングシステム(OS)は、ソフトウェア(プログラム)ですから、ハードディスクやマザーボードなどのハードウェアとは違って壊れるということはありません。ただし、部品が壊れ、修理に多額の費用を要するなどの理由で、パソコンを買い換えれば、OSも廃棄されることになります。また、CPUの性能向上やHDD・SSDの大容量化に伴い、OSが時代遅れになるということもあります。また、Microsoftがサポートを終了することにより、OSの買い替えを促すということもあります。 Windowsの各バージョンの発売時期とサポート終了時期は次のようになります。「販売終了」は、Windowsの搭載されたパソコンの販売終了時期です。パソコンの販売終了後も、OSとしてのWindowsは、小売店に在庫が残っていれば入手可能です。
「もうやることがない」というのが実情? マイクロソフトの News Center Japan は、Windows 11 について、「11のハイライト」を挙げています(Windows 11、10 月 5 日より提供開始 - News Center Japan)。いずれも単なるデザイン変更か、従来からある機能の焼き直しに過ぎず、バージョンアップと呼べるほどの内容ではありません。OSとしての機能は、Windows 7 でほぼ完成しているので、それ以上は「もうやることがない」というのが実情ではないかと思われます。
できるだけ長く使っていただく 前述のように、OSが壊れるということはありません。ただし、OSの組み込まれた機械が壊れれば、OSも廃棄されることになります。通常は、OSだけが別に販売されることはありません。OSが単体で販売されているのはWindows だけです。なお、LinuxやchromeOSは、無料で入手できます。 各種デバイスとOSの関係は次のようになっています。
Googleは、検索サービスを媒介とした広告を主な収入源とする企業です。また、メーカーにAndroidを無料で提供し、Androidの組み込まれたスマートフォンを広告媒体とすることによっても、利益を上げています。 Microsoftは、Windowsの成功で巨大企業に成長しましたが、現在では、収益の半分はクラウドサービスとオフィスソフトが占め、Windowsの割合は16.2%に過ぎません(Amazon・Microsoft・Alphabet・Apple・Facebookの収益源が何かをグラフで見比べてわかること - GIGAZINE)。スマートフォン分野には、Windows 10 Mobileで食い込みを図りましたが、失敗し撤退しています。 Microsoft の Windows には、サポートの終了がありますが、Apple の製品にも修理サービスや部品の提供期間があります。しかし、これはあくまでもハードウェアの問題であって、ソフトウェア(OS)に使用期限を設けているわけではありません。 Apple は自社の製品の耐用期間について、次のように述べています(保証期限の切れた Apple 製品の修理サービスを受ける)。「できるだけ長く使っていただく」ということは、デバイスが壊れるまでは使い続けることができるということ、つまり、OSには使用期限がないことを意味します。
製品を販売店に供給した最終日から最低5年間は、修理サービスや部品の提供を受けられる。5年以上7年未満については、在庫があれば提供を受けられる場合もある。7年以上が経過したら、提供はすべて終了する。
サポートを終了しなくても、Windows は売れる 一方、Windows の場合は、Windows の組み込まれた製品の販売終了から4年ほどでサポートを終了しています。サポートを終了するというのは、アップデートしなくなるということですから、Windows を使えなくなるわけではありません。そもそも、Windows 7 では、次のように、アップデートしないという設定も可能でした。 今使っている32ビット版の Windows 7 では、「更新プログラムを自動的にインストールする(推奨)」にしてありますが、サポートが終了したはずなのに、いまだに更新が続いています。一方、64ビット版の Windows 7 の方は、更新ができなくなっています。 今回、「Windows 10 は最後のWindows」という前言を翻してまで、Windows 11 を発売する背景には、「サポートを終了しなければ、いつまでも Windows 10 を使い続けられてしまう」という危惧があったのかもしれません。 しかし、パソコンが壊れれば、Windows も廃棄されることになります。新しいパソコンを買えば、Windows はインストールされています。つまり、サポートを終了してもしなくても、Windows は売れるのです。 もちろん、サポートを終了することにより、旧バージョンのOSが賞味期限切れだという印象を与えれば、パソコンの買い替えを促す効果はあります。 しかし、パソコンは、部品が壊れても、取り替えれば寿命を延ばせます。個人的な体験から、パソコン部品の寿命の短いものから順に並べると、次のようになります。
結局、パソコンの寿命はマザーボードの寿命により決まりますが、10年以上使えるものもあると思います。OSに賞味期限を設けて、まだ十分に使える機械を廃棄させるような商法は、SDGsの観点からも見直すべき時期に来ているように思います。 さて、Windows 11 の次はあるのでしょうか。 |